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やっぱりPORSCHEがいいなぁ

■NSX
NSXをはじめて買おうと思ったのはもう5年も前の話になる。当時は33GTRに乗っていて、車検を期にフルチューンするか乗り換えるかで悩んでいた。ちょうど34スカイラインが登場した頃である。この頃はまだ、サーキットにはまることなど予想もしていなかった。F1で常勝を誇るホンダのフラッグシップ・スーパースポーツ。故アイルトン・セナが開発に関わった唯一の国産車。「走り」の性能などどうでもよく、国産車の歴史に永遠に名を残すであろう名車を一度は所有したいという単純な理由で購入に踏み切った。

 ◇NSXクーペ(H3年式100系)
「和製スーパーカー」ということで乗り始めた頃は気分が良かった。GTウイングやディフューザーを組み、GTマシンばりのセンターマフラーで爆音を奏でながら乗り回す日々がしばらく続いた。そのままスタイル重視でおとなしく乗っていれば良かったのだが、出会った仲間からサーキットの楽しさを教わり、手を入れ始めた。しかし「車を速くする」ことへの理解が足らず、結構無駄に金を使ったように思う。考えずに手を入れるものだから使った金額に見合った効果が得られるはずもなく、いつまで経っても自分の車に成り切らなかった。どこか気の許せない破綻感が常につきまとう車となってしまったのだ。結局くだらないことから気持ちが離れ、購入してわずか2年で手放すこととなってしまった。

 ◇NSX-R(H5年式110系)
四駆に金をつぎ込み満足しているつもりだったが、「車を走らせて遊ぶ」ことを求めている自分に気付き再びNSXを手にすることになる。クーペではなく、付加価値があり「走り」に特化したNSX-Rを選択したことは我ながら賞賛に値すると思うが、かかった金額を考えるとなぜこの時点でPORSCHEを考えなかったのか実に不思議だ。NSX-R自体は非常に良い車だ。クーペと比べて街乗りには多少きつさを感じるが、それも慣れてしまえば味に変わる。サーキットでは正しく運転すればどこまでも付いてきてくれる安心感さえある。運動性能では発売から12年を経過した現在でさえ世界のトップクラスであり続ける。サーキットではまだまだ乗せて貰っている状態だが、運転していて非常に楽しい。しかし、最新のライバル達と比べると見劣りするのも確かだ。存分に乗りこなせていないにも関わらず生意気かもしれないが、良くも悪くも国産車なのだ。無駄な快適装備を一切省き、極限まで軽量化された車体は驚異の動力性能を持つ。それゆえに残された無駄が目に付いてしまうのだ。不必要に大きいトランクと横置きされたV6エンジン。精密組立を施されるエンジンは一方でSOHCから急遽DOHC VTECへと変更された経緯を持つ。そしてウェットサンプ。ビックマイナーチェンジを受けた2代目NSX-Rでもこの点は改善されなかった。空力に拘った割にはフルフラットなフロアは与えられず、中途半端な感は否めない。それでもここまでNSXを熟成させてきたホンダには敬意を表したい。現行NSXの生産中止が噂される中、次期NSXに関して何も情報がないのが寂しい限りではある。NSXといえども国産車の枠から出られないのだろうか・・・。

■PORSCHE
自分にとってPORSCHEといえば「911」に他ならない。FRモデルやカイエン、ボクスター、そして今後上陸するであろうケイマンなどは眼中にない。それぞれの持つアイデンティティを否定するつもりは毛頭ない。幼い頃から「PORSCHE=911」というイメージが強く、いいオヤジになった今もそれを引きずっているだけだ。911には国産車にはない魅力がある。それは変わることのないスタイリングでも、RRレイアウトでも、水平対向エンジンでもない。それは「走り」に対するメーカーのアイデンティティが顕著に現れていることと、長年惜しげもなく注がれ続けたメーカーの愛情だ。だからこそ多くのユーザーやチューナーに長年にわたって愛され続けるのだろう。そういう意味では911に対抗しうる国産車はないと思う。またPORSCHEの魅力は「走り」に対する方向性が常に正しいように思えることにもある。「ああ、これがPORSCHEの走りの哲学なんだ」と分かりやすい。NSX-Rで走るようになって、PORSCHEの凄さが身にしみて良く分かるようになった。それと同時に憧れも強くなっていく。「NSXでもGT3と十分戦える」、確かに正しい。しかし現実には、「湯水のように金をつぎ込んだ」NSXであれば「ほぼノーマル」のGT3に何とかついて行ける、がより正しいところだろう。NSXが積み上げた15年分の進歩も伊達ではないが、PORSCHEが積み上げた15年分の進歩は純粋に「速さ」を求めたという点でNSXのそれを上回っているように思うのだ。

 ◇996GT3
現時点で市販PORSCHE最強を誇るNA911。十分な信頼性があり、かつサーキットでこれほどまでに速い車は他にはないだろう。996シリーズは往年の911ファンからはスタイリングと水冷エンジンという点で”ウケ”が悪かったようだが、その性能に批判的な人は多くないであろう。エンジンが空冷から水冷に進化したことで911の速さは一段階上がったと思う。911の魅力は強力無比なブレーキシステムとRRの強大なトラクションに尽きる。そこに熱害から開放された強力なエンジンパワーがプラスされたのだから速さは相当だ。パワーに任せたストレートスピード、強力なブレーキはNSXよりも奥でのブレーキングを可能にし、クリップからアクセルをオンにした時のトラクションはNSXのそれを遥かに上回る。いかに旋回速度に勝るNSXでも相当分が悪い。ストレートで離され、ブレーキングで離され、しかもコーナーの立ち上がりで離される。市販状態でこれでは話にならない。NSXで付いて行くためにはエンジンにかなり手を入れなければならないし、それに伴い各部の強化も必要で、200万はどんなに少なく見積もっても掛かってしまう。スタイル的にも好みの部類に入る996GT3は前期型後期型を問わず、最も手に入れたいPORSCHEだ。

 ◇996Carrera
911の命はRRの強大なトラクションと強力無比なブレーキシステムと考えている。この2点はGT3でなくCarreraであっても変わらない。また、機構は若干異なるようだがCarreraもドライサンプであり、走りを楽しむ車としての魅力は全く薄れることはない。ただサーキット志向のモデルではない、というだけだ。エンジンパフォーマンスと足回りには不満を感じるが、それでも911を楽しめることは間違いない。GT3のエアロキットを組んでしまえば見た目に区別するのは難しいし、GT3純正の足回りパーツを手に入れることは比較的簡単だ。まあ改造するなら初めからGT3を買うべきだとは思うが、経済的な問題も非常に大事。911を手に入れようとする次期に手頃なGT3に出会えなかった場合はCarreraも一つの選択肢となりえる。
by minamitsubame | 2005-06-05 21:14 | Porsche