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2009年 06月 20日 ( 1 )

men and woman

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数分前まで悔し涙を流していたことは明らかだった。目を真っ赤に腫らし、下唇を噛みながら口を真一文字に結んで、女が部屋に入って来た。今にも泣き崩れそうな表情の中に、怒りに燃える瞳だけが赤く光る。部屋にいる誰にも視線を合わせず席に着いた。女が遅れて出現したことで、終盤に差し掛かっていた会議は凍りつき、不毛な結論しか選び得ない憂鬱な議題に一層暗い影を落とした。女が部屋にいるメンバー全員、特に上座に位置する二人の男を敵視していることは明らかだった。

トゥルルル、トゥルルル、トゥルルル・・・。

受話器の向こうで虚しく響く呼び出し音が、男達の行く手に厚い暗雲が垂れ込めたことを予感させた。会議の始まるわずか30分前に、女がボスに呼ばれたのを上座に位置する二人の男達は知っていた。この戦法が内部分裂を誘発させたい時にボスが好む常套手段であり、内部分裂を起こすことで二人により一層の圧力をかける為に、ボスが最適な人選を行ったことを二人は悟った。

予測通り、会議は最後の場面で踊り、険悪なムードを残したまま終了した。

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by minamitsubame | 2009-06-20 23:50 | Fiction