初整備
◆エンジンオイル
エンジンオイルの選択には車を乗り換える度に悩まされる。自分は基本的には純正オイル派だ。メーカーが車両に最も適しているオイルを選択しているはずだし、何より安価だ。NSX-Rの時も無限VT-Rという半ば純正のオイル(純正オイル「Honda Gold」に有機モリブデンが添加されているだけと聞いた)を使い、サーキット走行毎に交換していた。家から10分の距離にあるディーラーで手軽に交換でき、かつ安価(1回の交換は工賃込みで2万円以内。ミッションオイル交換を同時にやっても3万円でお釣りがくる)で、サーキット走行毎に交換していたから何の不都合もでなかった。
GT3の場合は1回の交換で9リットル前後のオイルを必要とするため、消耗品であるオイルの頻回交換は自分にとって死活問題となる。できることならサーキット走行毎の交換ではなく、2000~3000km走行毎(サーキット走行の有無に関わらず)にしたい。
しかし、エンジンオイルは140℃を超えると急速に劣化して粘度を失い、オイルが冷えた後も性能が回復することはないという。一部のオイルには性能を取り戻すものもあるというが、100%元に戻るわけではないし、エンジンを守る為には劣化したオイルでサーキットを走る気にはならない。
MOTULなどの高価なオイルを使い2000~3000km走行毎(サーキット走行の有無に関わらず)の交換にするか、安価な純正オイルを使いサーキット走行毎に交換するか。
なかなか悩ましい問題で、ショップに着く直前まで悩んでいた。ショップのメカさんには「純正オイルでも2000~3000km走行毎に交換すればサーキットを走っていても大丈夫」と言われた。その言に純正派の自分は大いに勇気付けられ(笑)、「GT3はサーキット走行を前提に作られた車だ。オイルもそれに耐えるものを選択されているはずだ。おまけにドライサンプで国産のウェットサンプと比べればオイル環境は良いはず」という前提の下に純正オイル=Mobil 1を使うことにした。
粘度に関しては、GT3の取扱説明書には-10℃を境にオイルを使い分けるように書かれているが、オイルのレンジは実に広い。ある雑誌にはなるべく硬めの化学合成油を使え、と書かれていたが、その記事で推奨されている粘度は15W-50(これに合わせるならMOTUL 300V COMPETITIONを選択すべきか)だった。しかし、取扱説明書には最も硬いオイルでも5W-40までしか書かれていない。何が正しいのか良く分からない、というのが正直なところだ。Mobil 1でPORSCHEに適合しているのは、Rally Formula(5W-50)、Race Proven(0W-40)、Driving Excellence(5W-40)の3種類あるが、どれが使われているのかは全くのショップ任せで分からない(笑)。
エンジンを絶好調に維持しつつ、いかにコストを下げるか。車両本体を維持するだけでも大変な自分にとっては難易度の高い永遠の命題だ。
◆ミッションオイル
サーキット走行で最も過酷なオイル環境に曝されるのはミッション、という自論があり(正しいか否かは不明)、ミッションオイルもサーキット走行毎になるべく交換するようにしていた。要するに、どうせ毎回換えるなら走行中にミッションが渋くならなければ何でも良い、というのが極端だが自分の結論だ。NSX-Rの時は色々試した挙句、走行毎に交換するなら何を使っても大して変わらないという結論に達し、最も安価で手軽に交換できる純正オイルに落ち着いた。
GT3でも純正オイルを使うつもりだったが、さすがにメカさんに止められた。「エンジンオイルは純正でも良いですけど、ミッションオイルは純正じゃダメです。ワンランク上のオイルを使わないと」とのことだった。ミッションオイルは車両によって合う合わないが激しいと思うので、完全にお任せにしてしまった。今回はRedlineの75W-90に交換してくれたようだ。
◆ステアリングセンター修正
フロントのトーを調整することで修正できた。作業時間は1時間弱。詳しい作業内容はあまりに寒くて見ていられなかった(残念)。右フェンダーに修復歴のある車両なので、アーム類などが心配だったが特に異常はなかったようだ。・・・が、アライメントが狂っていることが判明。おまけにバッテリーが瀕死(涙)。ショップに着いてエンジンを切ったのだが、その後いきなりエンジンが掛からなくなった(最近のバッテリーは予兆なく突然お亡くなりになることが多いらしい)。とりあえずベストな状態に持っていくまでにはまだまだ金がかかりそうだ(悲)。
→明細を見て後から気付いたことなのだが、純正オイル=Mobil 1とMOTUL(規格は不明)の価格差はたった300円/Lだった。これでMOTULは毎回交換不要というなら実にバカバカしい話になってしまう。